kuromoji.jsを使ってみたに引き続き、Node.jsでmecab-ipadic-NEologdを使ってみた際のメモです。
システムにmecabとmecab-ipadic-NEologdを導入し、mecabのラッパーであるmecab-async経由で形態素解析する例です。
mecab-ipadic-NEologdの導入
mecab-ipadic-NEologdを導入するために、まずはmecabとmecab-ipadicをシステムに導入します。
手順については、mecab-ipadic-NEologdのREADMEに詳しく書いてありますので、ここでは、OSXの場合の手順を抜粋しておきます。
# mecabとmecab-ipadicと関連ツールをbrewでインストール
$ brew install mecab mecab-ipadic git curl xz
# mecab-ipadic-NEologdをgithubからクローン
$ git clone --depth 1 https://github.com/neologd/mecab-ipadic-neologd.git
# mecab-ipadic-NEologdのインストールor更新
$ cd mecab-ipadic-neologd
$ ./bin/install-mecab-ipadic-neologd -n
# 途中でインストール可否を yes/no で聞かれます
以上で導入が完了です。
コマンドラインから使ってみる
まずはmecabをコマンドラインから使ってみます。
コマンドに引数でNEologdのパスを渡すことで利用する辞書を変更できます。
# mecabの辞書のパスを確認
$ mecab-config --dicdir
/usr/local/Cellar/mecab/0.996/lib/mecab/dic
# さらにNEologdのディレクトリを確認
$ ls /usr/local/Cellar/mecab/0.996/lib/mecab/dic
ipadic mecab-ipadic-neologd
# 辞書を指定してmecabを実行
$ mecab -d /usr/local/Cellar/mecab/0.996/lib/mecab/dic/mecab-ipadic-neologd
金曜日のスマたちへ
金曜日のスマたちへ 名詞,固有名詞,一般,*,*,*,金曜日のスマたちへ,キンヨウビノスマタチヘ,キンヨウビノスマタチヘ
EOS
ちなみに、デフォルトのipadicの場合は以下のようになります。
$ mecab
金曜日のスマたちへ
金曜日 名詞,副詞可能,*,*,*,*,金曜日,キンヨウビ,キンヨービ
の 助詞,連体化,*,*,*,*,の,ノ,ノ
スマ 名詞,固有名詞,一般,*,*,*,スマ,スマ,スマ
たち 名詞,接尾,一般,*,*,*,たち,タチ,タチ
へ 助詞,格助詞,一般,*,*,*,へ,ヘ,エ
EOS
mecab-ipadic-NEologdの場合は、
「金曜日のスマたちへ」が固有名詞として認識されているのに対して、
ipadicの場合は固有名詞と認識できずに形態素解析されています。
文章の「読み」の取得について
NEologdによって認識できる固有名詞が増えると文章の「読み」をより正確に取得できるようになります。例えば「幽遊白書」だと以下のようになります。
$ mecab
幽遊白書
幽 形容詞,自立,*,*,形容詞・アウオ段,ガル接続,幽い,カソケ,カソケ
遊白 名詞,一般,*,*,*,*,*
書 名詞,接尾,一般,*,*,*,書,ショ,ショ
EOS
# ipadicの場合は幽遊白書の読みがカソケショに
$ mecab -d /usr/local/Cellar/mecab/0.996/lib/mecab/dic/mecab-ipadic-neologd
幽遊白書
幽遊白書 名詞,固有名詞,一般,*,*,*,幽遊白書,ユウユウハクショ,ユウユウハクショ
EOS
# NEologdの場合は正しくユウユウハクショと読める
Node.jsから利用
次に、Node.jsから辞書を指定してmecabを使うためにmecab-asyncをnpmでカレントディレクトリに導入します。
$ npm install mecab-async
次に、同じディレクトリに以下のneologd-test.coffeeを作ります。
Mecab = require 'mecab-async'
mecab = new Mecab()
Mecab.command = "mecab -d /usr/local/Cellar/mecab/0.996/lib/mecab/dic/mecab-ipadic-neologd"
mecab.parse process.argv[2], (err, result) ->
console.log result
readings = []
for token in result
readings.push(token[8])
console.log readings
hubotでの利用を見据えて、CoffeeScriptで実装してみました。
コマンド引数で形態素解析したい文字列を指定できます。
7行目で形態素解析の結果を、12行目で解析結果をもとに文字列の読みを出力します。
実行
前記のソースをCoffeeScriptで実行すればmecab-ipadic-NEologdによる形態素解析の結果を確認できます。
$ coffee neologd-test.coffee 幽遊白書
[ [ '幽遊白書',
'名詞',
'固有名詞',
'一般',
'*',
'*',
'*',
'幽遊白書',
'ユウユウハクショ',
'ユウユウハクショ' ] ]
[ 'ユウユウハクショ' ]